富士虎『天明』酒造り体験記その②~仕込み~

 

寒さが増す頃、酒蔵は本格始動

旨い酒を醸すため、蔵人たちが汗を流す

 11月の会津は寒さが増し、酒造りに最適な時期を迎えます。

しかし、最近では昔ほど気温が下がらず、思うように仕込みが進まないのも事実。

酒造りは麹(こうじ)の出来が肝心で、麹造りは温度や湿度などの外的影響を強く受けるため、

蔵人は麹室の管理に相当な神経を使います。

 

 

 

富士虎がお手伝いしてきたのは、

地元・会津坂下町で育てられた契約栽培米・美山錦を洗い、

蒸し上がった米で麹を造る作業。

 

まず、精米した米の表面に残る細かい糠を取り除くため、丁寧に洗米。

水分を含ませるため冷たい水に漬け、その浸漬時間は秒単位で管理されます。

蔵には浸漬時間を告げるタイマーの音が響いていました。

 

浸漬を終えた米は大きな和窯で蒸され、その後に麹室へ。

蒸し米に黄麹菌の胞子を振りかけ、増殖させると麹になります。

と文字で説明と簡単そうですが、室温35度くらいある麹室での作業はかなりの重労働。

蔵人みんなが汗だくになって、蒸し米をほぐしながら約3日かけて麹を造ります。

 

 

作業をしながら、曙酒造の女杜氏・明美さんに話を伺いました。

 

「現代では酒造りの化学式が解明されていますけど、それだけに頼ってお酒を造ると全て同じ味になってしまいます。これでは味気ない。やっぱりものを見ながら造るのが、私は一番だと思っています」

最近では環境の変化が進み、仕込み中に予想できないことが起こることも多いそう。

大気中にいる菌、気候や温度の変化によって酒の味が大きく変わるため

酵母や醪(もろみ)との対話なしには旨い酒は出来上がりません。

 

「酒造りは、醪が気持ちよくお酒になることを考えてあげることが大切なんです。常に手をかけ気をかけ可愛がってあげないと、ふてくされてしまいますから。人間の子供と同じですよ。もちろん、過保護もいけませんね(笑)」

>>>>>>>>>>>その③へ