日本酒マガジン

藤沢 学

藤沢 学

http://www.facebook.com/hyougemono1

会社員。革命的反富士虎派飲酒元青年主義者同盟所属。そろそろ酒を控えねばと思いつつ、なんだかんだと呑んでおります。主に酎ハイと焼酎&泡盛ロック。行きずりの店ばかりです(例外アリ)

2018年1月
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仙川/一平


ある場所でシャンパンをふるまわれ、お手製のピクルス、キッシュ、カナッペ、レアチーズケーキといったものをごちそうになった。若いとはいえないオンナのひとたちに囲まれて、それはそれでたのしかったけれど、カタカナを飲み食いしていると、カラダじゅうの血がどんよりしてくる。焼酎と焼き鳥あたりで溜飲を下げるというか浄化しようということになり、コマゴさんとふたりで駅前へ出た。

 

きくやという店を目指したがあいにく満席。並びの居酒屋に入る。すべて手堅かった。カウンターで相客にからむオッサンに気をとられ、なにを食ったんだか食わなかったんだかよく覚えていない。シャンパンが効いたのか。レモンサワーを何杯か呑んだ頃、カヤノさんが来た。彼らは陶芸家だ。月代を剃って、カーテンみたいな生地のスカートをはいているコマゴは、三十代だが高校生の娘がいる。カヤノはすでに四十代だが、たいてい蛍光色の服を着ていて、童顔なので学生にしか見えない

 

ひと言で片付けるとヘンなヒトたちだ。知り合いの陶芸家にはヘンなのが多い。スキンヘッドでヒゲがドレッド、中学の同級生の中で一番背が小さいという183センチのサンダル履き、どう見たってトルコ人やらウイグル人、モヒカンの豆タンクなどなど。どんよりと暗いひとはあまり知らない。窯を焚く時、作品といっしょに酸化やら還元されてるからだろう。いろんなひとに会うのが彼らの仕事でもあり、孤高なタイプはたぶん不向きだ。

 

それぞれ房総と常滑に住んでいて、自分のクルマや夜行バスで一年中ロードを続けている。長距離トラッカー、マイナーリーガー、ミュージシャンみたいだ。個展を開いても、売れるか売れないかは時の運だし、テキヤみたいな寅さんみたいなところがある。ざっくりいえば旅人だったりする。すべて自己責任だからシビアな生業だが、小さいことを気にしていられないのかもしれない。だからきっと、淡々としているのか。

 

人脈は広い。独自のネットワークを持っている。大昔の渡り衆とは、彼らみたいなヒトだったのか。彼らとつきあっていると、民俗学的なことを考えたりする。いずれにせよ、知り合いや友だちが少なくては生きていけない仕事なのだ。ひとりで黙々とつくり、作品を待ってるひとたちのもとへ届けて楽しませるという面では、サーカス団みたいなところもある。旅をしたいと思うのは旅をしなくても食ってける人間だけであって、ジャーニーマンの旅には生活がかかっている。彼らの日常をうらやましく思いつつ、そのような暮らしに堪えられる自信はない。

 

BGM: THE BAND/The WeightYouTube Preview Image (1968)